NHKの『トクサツガガガ』というドラマを観ました。さほど期待はなかったのですが
まずは面白かった。
特撮ヒーロー好きのOLの日常を描いているのだけれど、特撮好きが周りにバレないように過ごしている若い女性が主人公。
一般的な若い女性達の中で、みんなが同じように感じる部分に自分は共感できないことを心の声や妄想で描いているのだけれど・・・・
それを観ていて私は「ハッ!」としてしまいました。
このドラマは「オタク女子」のお話し。
そうとわかっていて、その心理をのぞいてみたいという気持ちで「他人事」として見始めたのですが・・・・
その「オタク女子」の心の声や行動が若い頃の自分に重なる事に気が付いてしまったのです。
(今日は、だいぶ長くなります・・・)
例えば、ひとつのシーンで・・・
同僚が旅行のお土産として、流行っている「ゆるキャラ」のキーホルダーを買ってきてくれたのですが、それを受け取った時の反応が薄い主人公。
なぜなら、まずはそれ自体を知らない。
そして一般的には「可愛い」と言われるようなシロモノではないため(いわゆるキモカワ。)
主人公は「これがかわいいの??」と疑念をもってしまう。
お土産を渡した同僚は、「今流行っているもの」を自慢げに配るのだけれど
思ったような反応が返ってこないため、シラけた様子で他の同僚達にお土産を配りに行ってしまう。
それを受け取った他の女子達は・・・「きゃぁ〜!!かわいい。これ流行ってるやつでしょ?」と黄色い悲鳴をあげている・・・
それを見た主人公は、それなら自分が好きな特撮ヒーローも可愛いって言われてもいいはずなのに・・・・と思うのだ。
この主人公は、自分が好きなモノへの愛情は深いけれど
「流行っているか否か」で「かわいい。ほしい。」とは思えない。そして、それに追従しようとする気はなく、「みんなこれが好きなのね。」と客観的に観察している・・・・。
それが「オタク気質」とは言い切れないけれど
そのシーンを観ていて、私は学生時代、まさにこれだった。と気が付いてしまった。
中学生くらいから、「女子」という関係性の中でどうにも苦しい思いをしてきた私。
決して孤独だったわけでもなく、クラスの中心人物や学校の人気者とは仲も良く関わりも多かった。けれど・・・・「団体で行動しましょう。」と誘われると
「なんで?」と思ってしまう。というか、多分、口に出して言ってしまっていた。
それに、自分の好きなことやモノに対して夢中になるところがあったので、そのためには1人で行動していることが多く
学校でのお付き合いは楽しくやるけれど、日曜日は「自分の時間」だったし
好きな習い事や部活に入るのも1人でも行動していたので、「仲良しグループ」と思って過ごしている女子仲間からすると「協調性がないヤツ。」だったんだと思う。
よくある「トイレ行こうよ〜」という誘いにも、「あ、行ってきて。私いまは行きたくないから。」と言っていた。
私はみんな、行きたいから行っているのだと思っていたので・・・。
随分前に、その事に関して書いた記憶があるけれど、結局私はそれでグループから「無視」をされる事になる。
けれど、他にも仲良くしてくれる人たちがいたので、他の人と仲良くしていた。
男子には「お前、ハブられてるだろ?」と言われて「そうみたい。」と返したら、なにかと仲良くしてくれていた。
そのうちに、その女子グループから呼び出され
「あんた、なんで私らが無視してんのに懲りないの?つまんない。」と言われたのだ。
実際は、かなり心は痛めていたんですけどね・・・。
最初の一週間くらいは色々と考えあぐねたり、家で涙を流したりもしたけれど
でも、他人の気持ちをあれこれ考えてもわからないし、向こうが嫌いって言うなら仕方がないから自分のことを好んでくれる人と付き合おう。と
それによく考えたら、そんな事する人と一緒にいても楽しくない。と思ったので・・・・。
まあ・・・・こんな調子の中学時代。そして高校もそれなりに女子がらみの面倒は何度も経験していた。
その後は「都会」に出て、
当時お嬢様学校と言われた短大に入ってしまったものだから・・・・
Gパンにリュック姿の私は
「あなた、なんか雰囲気違うよねぇ。」とブランド物を身にまとった「都会の女子」に囲まれ、最初はあれこれ質問責めに合いました。
さらに当時は女子専用の学生会館で生活していたけれど、やはりそこにもありました・・・。
地方出身者ばかりだから気が楽かと思いきや・・・・それはそれで「女子の下克上的世界」が広がっていたのです。みんな必死だったのかもなぁ・・・いま思うと。
私はそこで、常に「客観視」しているようで・・・それが微妙な立ち位置になっていたのかもしれない。
学校からみんなで学生会館に帰るはずが、気がつくと置き去りになっていたり
コンパやサークルの集まりがある。と言う話しをしていたはずなのに、私は誘われていなかったり。
でも仲間外れにされているわけでもなく・・・・時々起こるそう言った疎外感が私には謎だった。
なにか嫌ことしちゃったかなぁ。と我が身を反省することもあった。
でも、今になって思うとその当時の私は、実家から上京して自由を謳歌していたので、忙しかったのかもしれない。
自分の時間が全て自分で決められて、食べたいも物を食べ、見たいテレビも自由。バイトも掛け持ち〜それがうれしくてうれしくて、学校以外はバイトをしていることが多く
そのバイトでお金が貯まると、長期の休みには幼なじみと旅行・・・・。
他にも行ってみたいところは1人で出かけていたし、映画も1人で観に行っていた。
私は・・・みんなそうやって生きているのかと思っていたので、団体行動している人は「趣味が合った人たち。」なんだと思っていた。
長々と書いておりますが・・・・
私は『トクサツガガガ』のその「オタク気質」のOLの話しを客観的に観て、今更ながら・・・・50才になって本当に今更ながら・・・・
なぜ自分は女子の人間関係がうまく行かないのか。という謎が溶けたような気がする。
あの人たちは・・・・当時の彼女たちは・・・極端に好きなもの。というのはあまり持っていなかった。でもその時々に流行ったものに敏感で、それに同調し、周りと共有し合ってその時間を楽しんでいたんだ。
だから、その「流行り」から外れたところで、勝手に何かに夢中になっている人に対しては「別に誘わなくてもいいか・・・。」と思っていたのかもしれない。
というか・・・そこまで考えていなかったんでしょうけれど(笑)
今でも、おばさん集団やご近所の高齢者の「同調感」には乗っからない。もう、ここまでくると完全に確信犯なのだけれど。
年をとっても「同調」ばかりを求める人が女性には多いな、と思う。
きっとそういう人は、そうやって生きてきたのだろうからそれが「普通」で、「同調しない女」に対して苛立つ人もいるのだろう。
ただ、そういう人にありがちなのは自分は本当は「共感」を求めているのに「同調」しなかったことを怒っていること。
私は、「共感」はするけれど「同調」はしない。
そこは譲れないんだなぁ・・・・と自分は思っているのだけれど・・・
人によって経験値も受け取り方は違うから、そこで誤解が生じると「女子」はいくつになってもややこしくなる。
「オタク気質」は、女子の中では確かに大変なのかもしれない。

