本当に驚きました・・・アナウンサーの有賀さつきさんが亡くなったと言うニュース。
正直私は、あまり興味を持って見ていた事がない方だったので、
この2日の報道でそういう人だったのか、とその人となりを少し知りました。
それにしても52歳。闘病をされていたという事なので自身の病気を知ったのはここ1、2年くらいなのでしょうか。
高齢化社会だし、早すぎる。と言われても、世の中には若くして亡くなる方はたくさんおられる訳で・・・
自分の年齢を改めて実感して、考えなくてはいけないこともあると思わされました。
それにしても、まだ未成年の娘さんを残して・・・そして、介護をしてあげるはずの高齢のお父様を残してというのは、なんとも辛く見えます。
けれど、こうして有賀さつきさんの報道を見て話しを聞いていると、きっと旅立つまでにしっかりと準備をされて色々と一人でご自身の始末をしていたことに後悔はないのかもしれない。と思いました。
亡くなった原因である病気の公表をされないという事で、マスコミの方が高齢の父親になんどもインタビューをする映像が流れていますが、
一度ならともかく何度もインタビューに押しかけるのはどうにかならないものかと思います。
けれど、80歳をすぎたお父様が、とても知的でとても立派な受け答え、対応をされているので素晴らしいと思いました。
その中で、病名はわからない。と答え、のちに病名は本人の意思で伝えない。と何度もやんわりと答える姿は、私には娘の意思を尊重し、守ろうとしているように見えました。
病名はご家族にも明かしていなかった。と伝えられていますが、お父様も娘さんも「知らなかった」と言う事で、とどめているのではないかと私は感じました。
病名を公表せず、自分のできる範囲での後始末をして、一人で旅立った事は決して哀しい事ではなく、ご本人が望んだ事だったのなら尊重すべき・・・。
きっと、そういった自立された考えを持った人ならば、娘さんに対しても意思は伝えてあるでしょうし、周りが憶測しなくても「ちゃんとしている」と思います。
それが素晴らしいとか偉いとかすごいでもなく、きっとご本人がそうしたかった。ただそれだけなんじゃないか、と勝手に思っています。
私の父の話しなのですが・・・
私の父は亡くなって6年経ちます。10年の間、何度も癌を再発しながら過ごし最期は、自分のお葬式の段取りまで決めて亡くなりました。
最期の入院も自分で決めて、自分で病院に入ったし
食欲を失い、「これまで好きなものいっぱい食べたし、もう何も食べない」と口にする事をやめると決めたのも自分だったし
最期には病院のベッドで看護師さんに「私の死亡届を用意してもらってください。」と仕切っていたので、
「ちょっと、気が早いって!看護師さんも困るでしょ。」っと思わず突っ込んだら「いや、一応頼んでおかないとさ。」
看護師さんも「大丈夫ですよ〜それはこちらの仕事ですから。」っと軽〜く返してくださいました。
とにかく、全部自分でやりたい人でした。
「お葬式の時、料理は何が出るんだろうな、俺は食べられないけど美味しいものだといいな。」と自分のお葬式の料理の事まで話していたくらいの人で、私はそれが父らしいところなので、
「なんだろね〜。」と話しに付き合っていたし、哀しい思いもありませんでした。
そうやって、物事を自分で決めてこなしていく事がその時の父には大事な事だったんだと思います。
父が意識のある最期には居合わせたのですが、その時も「強い薬で意識が薄れるかもしれない」という決断を夫が伝えると父は「わかった」と頷いてそれきり明確な意識を無くしました。
後日、息を引き取った瞬間には私は居合わせる事はできなかったのですが、
本当に全部自分で決めて自分で亡くなって逝ったように思うので、亡くなった後の後悔が私には残りませんでした。
亡くなった日に、すぐにお迎えが来て、私たちはなんの準備もする必要もなく、葬儀まで返ってやる事がなくて手持ち無沙汰なくらいでした。
そういう亡くなり方もあるという事を教えてもらった気がします。
亡くなる事が哀しいだけじゃなく・・・・
生き方去り方をみせてくれる、そういう人もいる。
有賀さんは若すぎることは悔やまれますが、その生き方は娘さんにしっかりと伝わったのではないかな・・・・。
私のように、こうして生前はあまり知る事がなかった有賀さつきさんという方の生き方を、このような去り方をもって印象に残してくれた事も意味ある事と思います。

