きのう、公園の遊歩道で犬の散歩をしていたら、前方からおじいさんがまっすぐ歩いてきました。
いたって普通の痩せ型のおとなしい印象のおじいさん。
眼を合わせることなく、まっすぐ歩いてくる。
どうやら避ける様子がなさそうだと判断したけれど、連れが老犬なのですぐに引っ張って避けられない。
なので、なるべく左側のフェンス側に寄って、犬を前に私は犬の後ろ(ちなみに犬は小型犬)に立つように端に寄り、リードを引いて目線を犬の方に落としていました。
すると、おじいさんは全く避ける仕草をせずに、私の方に肩にかけていたカバンを思い切り私にぶつけるように通り過ぎ
「あっ!」っと思った時には、後ろから
「このばかやろうっ!ぶつかって来やがて!」と怒鳴りました。
振り向いて「あ、すみません。」とあやまると
「こっちは右側歩いてんだぞ!!ふざけんなばかっ!」と言ったのです・・・・
私の後ろには、次々とお年寄りが並ぶようにウォーキングしてくる。
なので右側通行も左もなく、皆遊歩道のフェンス側を歩いていたのだけれど・・・
その後ろの人たちは、何事もなかったかのように通り過ぎていく。
ヨタヨタする老犬とのんびり散歩していた私はとても嫌な気持ちになって、怒りも湧いてきた。
多分、最初から避ける気はなかったんだと思う。
そして私が女性だったことや、犬を連れていることなど、何かしら気に入らなくて
ぶつかる気満々だったんだと思う。
それにしても気分が悪い。
このところ、高齢者の不機嫌な態度やキレる姿を良く目にするようになった。
先日も、道路工事中の歩道でたまたま交通整理の人がいなかった一瞬に
自転車でやってきたおじいさんが、通行止めの三角ポールの前で
「おら!どうすんだっ!案内しろっ!通れんのかっ!」といきなり怒鳴りつけていた。
なぜいきなり?と思う。
ポールと案内図が立っているのだから、一度停まるのは当たり前だと思う。
その怒鳴り声を耳にして、自分に言われたわけじゃなくても気分が悪い。
そして、昨日のように自分が怒鳴られてみると、気分が悪いどころか哀しくなる。
ご近所のお知り合いのおばあさんの中にも、会って話しをしても、不機嫌な気持ちを撒き散らす人もいる。
たぶん、その裏には寂しい、不安、心配。そう言った感情が含まれていのだろう。
高齢者は世の中への承認欲求が満たされなくなるから・・・という説もあるけれど
そんな承認欲求は子供から大人まであるのだから、それを若い人にわかってくれ、というのは甘えに似た感情だと思う。
まあ、機能的に脳の老化と言われれば仕方がないのだけれど、これだけ高齢者が増えてその人たちが皆んな「脳が老化しているから仕方がない。」と譲ってもいられない。
それにしても、日本のお年寄りはちょっと不安を持ちすぎると思う。
ここ10数年の間に世の中はとても変わったと私の年代でも感じます。
いろんなものが電子化しているし、スーパーでの買い物のルールや列の並び方も暗黙のルールができてきて社会生活に細かな気を使う場面も増えた面もある。
うちの隣のおばちゃんは、多分まだ60代だとは思うのだけれど、しょっちゅう怒っている。
何かと、ネットで調べなきゃいけない。ということが気に入らないらしく、
病院での入院手続きとか検査手順とかを「ネットでみてください。」と言われたことに腹を立てて怒鳴り込んだそう。
急激に変わってきた世の中についていけない事への苛立ちを、どこかにぶつけたいんだろうな。
自分ができない事を開き直って受け入れて、できる事だけやって諦め切れれば違うのに。
変わったのは世の中の方だろう。と苛立つ気持ちはわからなくもない。
私の年代はその境目を社会の中で目の当たりにしてきた年代で、それはそれで大変な人もたくさんいたと思う。
私の働き始めた頃は、パソコンなんて使える人はそんなに多くなかったから、途中から使えないと仕事にならない状態だったので、みんなもがいてどうにかしてきた。
なので、それぞれの年代に大変さはある。決して高齢者だけが時代の変化についていけないわけじゃないと思う。
ただ、高齢になる事がネガティブに捉えられがちな日本の雰囲気は、高齢者を不安にさせ不機嫌にさせているんじゃないかと思う。
そんな高齢者の怒りのぶつけどころになるのはごめんなのよね、正直。
思うに・・・・テレビで、健康の話しやオレオレ詐欺の注意喚起、孤独死とか独居老人の苦労ばかりやっていないで、もっと高齢者が前向きになれる情報を流し続けて欲しい。
日本人はもともと不安を持ちやすいし、真面目なので、ネガティブ情報で注意喚起しても不安を煽るだけだと思う。
注意していたって病気になるし、貧乏にもなるし、若くたって孤独死するんだから・・・・
どうせなら、もっと心の成熟度を高めて前向きに生きられるような内容で、『情報操作』すればいいのに。
以外とお年寄りは単純だから、そうすることで明るい高齢者が増えるかもしれないよ〜っと思ったりするのだけれど・・・そういう問題じゃないか(笑)

