火曜日に、『監獄のお姫さま』が最終回でした。
リアルタイムで観ていたけれど、所々どうしても席を立たなくてはいけなくて、その間に細かなところを見落としてしまう。
見逃したくないドラマの時は後でゆっくり観るのが一番。CMもとばせるし、席を立つ時には一時停止できる。
結局、昨日もう一度最終回を観ました。
先週、怒涛の種明かし・・・で「現在」に着地。
気がつけば実は6時間しか経っていなかった・・・というストーリに改めて気付かされて
一体最終回はどう終わるのだろうと想像が付きにくかった。
最終回にも巻き戻し場面があったものの、最終回らしい最終回でした。
結局、板橋吾郎は若井先生の言う通りの「クズ男」だった。
けれど、その種明かしの内容に驚かされ、吾郎演じる伊勢谷友介の裁判での独壇場が見ごたえがありました。
裁判所での最後、ずっとナヨッとしていた『姫』の感情的なセリフも正論も格好良かった。
そして、吾郎の妻の晴海もすごくかっこいい女性だった。(乙葉さんがあんなに演技が上手とは・・・。)
おばさん達のおっちょこちょいで頼りないおせっかいに引き込まれ、若い女性が「おばさん」への信頼を向けていくという流れは、女性の結束と女の強さを感じて観ていて爽快だった。
そして、社長をはじめ、検事の「のぶりん」、そしておばさん受刑者達の過去に関わった男達が、ものの見事に「ダメ」な男達。
その過去のダメな男達を、ほぼ伊勢谷友介が演じていたというのが、最終回の板橋吾郎の「クズ男」に集約されていたように感じて・・・・
(アネゴの夫のクズな組長は、高田純次そのまんま演じていたのもちょっと面白かったけど。)
最初、馬場かよの夫を伊勢谷友介がカブって演じている意味がわからなかったし、次々と伊勢谷友介がおばさん達の関わった男を演じることがややこしく感じたけれど
これも、この最終回に結びついていたんだと・・・・。
罪を犯した女性達が正義感に燃えて復習するという「事情」も共感ができ、
クズ男達に翻弄されてしまう女達の気持ちもちょっと共感ができ、
若い女性達の心の動きや成長にも共感させられ、
なによりも、「おばさん」としての気持ちがセリフの所々に散りばめられて共感。
それを救ってくれるような最終回でものんきな「のぶりん」のキメゼリフ。
「どんなに若くて可愛い子でもいずれはオバさんになる。でも、可愛いオバさんはもうオバさんにはならない!!」
そこに若い方の検事今池の「オバさんですもんね。」というシレッとしたツッコミに、
「はい。」と素直に返すのぶりん。結局またオバさんはそこで落とされるのだけれど・・・・それも笑えた。
おばさん達はそれぞれの理由で、監獄に入っていたわけだけれど、更生するには
そのクズ男達への「復讐」も必要だったのかな。
犯罪者の話しなのに、そこへの批判感情がうまれなかったのはその描き方が丁寧だったことが大きかった。
ひとつひとつの感想はまだまだあふれてきて、いっぱいあるけれど、最後まで観て良かった。面白かった。そして感動もした。共感したし、笑ったし楽しかった。
出演者のそれぞれのキャラや演技もぴったりとハマって、最初ちょっとした拒否感があった伊勢谷友介さんも本当に良かった。
あのクズ男は伊勢谷さんならでは。と思うし、これから何かにつけて板橋吾郎。の印象はついてしまうかもしれないけれど・・・。
昨日、最終回を見返してからもう一度あのパラレルワールド状態だった第1話を観ました。
すごい、吾郎のネクタイの色も、繰り返される場面の意味も、全て理解できる。
最初観た時には、なんだかイラっとさせられた「馬場かよと女優」の行動や仕草も、最後に1話を観ることで見事に共感できた。
ある意味、1話目にあれを持ってくる凄さを最後まで観て実感。もう、恐れ入りました。という感じで、また2話も3話も観たくなる。
まさにドラマの時間軸の繰り返しのように、ループにはまる状態に・・・・。
一時の盛り上がりと視聴率を求めるドラマ創りではない何かを感じずにはいられないドラマです。

