ドラマ『ブラックリベンジ』が最終回でした。
前回までは激し展開とどんでん返しで、このまま最終回まで怒涛の流れなのかな〜っと思っていたら・・・・
きのうの最終回、実は黒幕だったカウンセラーの朱里(鈴木砂羽)から復讐に至った原因を明かされ、2人が対峙するシーンでほぼ終わりでした。
2時間ドラマだったら最終の崖のシーンをたっぷり〜という、これまでの展開とは違う1時間でしたが、これがなかなかの見せ場で
あっという間に感じられて集中して観てしまった。
これまでのストーリーは昔の昼ドラか、2時間ドラマのようなちょっと安っぽくも感じるような作りのストーリーやセリフが盛りだくさんで、そこを楽しんで観ていたのだけれど・・・・
思えば結構人物やシーンに厚みがあり、先週は同僚で後輩の女の子「芦原」とのシーンもすごく良かったし元秘書の「高槻」の思いもしっかり描かれていた。
そして何より編集長、佐藤二朗の独壇場と、飛び降りシーン・・・かなり衝撃でした。
それが最終回は、ほぼひとつのシーンで、「復讐心」について考えさせられ魅せてくれたのは
木村多江と鈴木砂羽の女優対決が良かったんだと思います。
この二人の、どこか舞台チックな、ちょっと大振りな映画のようなセリフまわし。
二人とも美しくてプライドが高い中にも不幸感が漂っていて・・・それが怖い。
このドラマで登場していた社長役の横山めぐみの正直安っぽい「女優の演技」もハマっていて良かったし(北の国からのレイちゃんの面影はどこに??)
DAIGOが意外にもハマり役で妙に怖かったし
正体が露わになってからの佐藤二朗のえも言えぬ怖さといったら・・・目に焼き付いてCMでニコニコしている佐藤二朗にもぞっとしてしまう・・・
それらの展開を経ての、きのうの女優二人のリベンジ対決・・・・すごく見栄えが良かった。さすが。
その中でリベンジ〜復讐の意味合いと哀しさを感じることができた結末でした。
なんとも言えないのが、そもそも恨みを持たれた今宮沙織(木村多江)は、自分がこんなにも恨まれていることさえ知らなかった・・・ということ。
あの回想シーンから観ても、今宮に朱里たちを貶める気持ちもからかう気持ちもなかったはず。
なのに、今宮がつぶやいたように、
「私はただ友達に話しただけで・・・」という「ただ」・・・「事実を友達に話した。」というだけで・・・
された側にとっては相当な復讐の原因になってしまう。というところが、なんとも胸が痛い。
よく最近、犯罪者の心の闇。とか犯罪に突き動かした動機とは〜などと探ろうとするけれど
他人から見て納得できる動機なんてそう多くはないのだろうと思う。
その今宮の一言が原因で周りが噂を広げ、興味本位な目を向け、影で騒いで・・・・
「どんな暴力よりも耐え難い、無言の暴力」と朱里が言ったように、
一人に向けられる多人数の視線や陰口は、される方にとっては暴力なのだ・・・と、こればかりはされた側じゃないとわからないのだろうと痛感する。
一方の「ただ友達に話しただけ」の今宮沙織は、その後も普通に過ごし、ただ友人と笑っているだけで相手に復讐心を募らせてしまう。
こういう事はきっと、集団生活の中のあちこちで起こっているのかもしれない・・・・と思うと怖いし切ない。
そして、この壮大な復讐劇の果てにあったのは
「復讐することは更なる苦しみをもたらす事」だったというオチ。
それを痛感し、復讐した今宮に、今度は逆に復讐心を持たせることで「復讐する苦しみをも味合わせたかった」という朱里は・・・
最後に今宮沙織に共感を感じながら「地獄で待っている」と言い残し命を落とす。
結局は・・・・人は共感が欲しいのか、と思わせるシーンだった。
そして残された今宮沙織は・・・・というと・・・・
因縁の繋がりのある甥っ子の手を握りしめ、
『〜今も私は復讐に生かされている。』というセリフで結末。
憎悪と愛情の裏返し、というか・・・すでに夫への愛情はどこに?という気持ちにもなってしまった。
そしておきまりの『週刊星流』の編集部のメンバーのほっこりとしたシーンもちゃんとあって、落とし所がついたし(カミナリのツッコミも最終回まできっちりと。)
怪しいと思っていた天満さんは最後まで『週間星流』の良心とも言える人だったというのも救いでした。
最後の大どんでん返しとしては、編集長の姿・・・・(いろんな意味で驚き)
なかなか面白い最終回だったと思う。

