朝ドラ『ひよっこ』先日の土曜日の富さんのエピソードは、泣けました。
そして笑えました。暖かい気持ちになりました。
これまで、ちょっと謎だった富さんの過去が明かされ、
これまでの富さんのただの「食いしん坊キャラ」に深い意味がある事がじっくりと描かれて・・・・
富さん演じる白石加代子さんの独演で全て持っていかれてしまった。
哀しい過去の話なのに、泣けるだけじゃなくて笑える幸せなストーリーに仕上がっているのは
やっぱり岡田惠和さんの脚本らしい。こういうところが岡田さんのドラマが好きなところです。
富さんは元芸者、そしてその悲哀の恋はいわゆる不倫。
なので、今だったら嫌悪感を持たれてしまうシチュエーション。そこのところも照らし合わせてなのかうまくセリフを運んで行ったような・・・
「若い人がいる時じゃなくってよかった・・・この話するの。そうゆうの今時の人って軽蔑するでしょう?」と富さんが言うと
「富ちゃん、ちゃんと話してあげたら?若い人たちにも。わかんなくたっていいよ。わかってたまるか、って話だよ。そうでしょ?」と、鈴子さん。
というかその感じ、『あまちゃん』の夏ばっぱが出ちゃってた(笑)
富さんの、これまでの思い出を語るシーンは、ひたすら全国の名産品を言い続ける・・・という斬新なセリフ、シーンなのに
それを泣かせる、そして笑わせるほうに持っていける演技の素晴らしさは拍手をしたくなる思いでした。
そして、「若い人たち」はそれをだまって聞き入っている。
愛子さんはこらえきれずに笑い出す。
ほんとに素敵なシーンで、私にとっては、もしかしてこのシーンはこれまで観た数々のドラマの中でも忘れる事のできない名シーンとして心に残ると思う。
「若い人たちに、わかってたまるかっ。」こうきっぱり言い切れる「もう若くない女性」のある種の成熟さに憧れてしまいました。
私はまだそこまでいっていない。年齢的にも経験値も。心の強さも。
いつかそう言い切って、自分のこれまでの生きた道がどうであれ、正々堂々と示せる「若くない女性」になりたい。
そしてできれば私も今の親友と、富さんと鈴子さんみたいな友達、同士となれたら良いな・・・。

